ベヒトルスハイマー ゾンネンベルク フクセルレーベ トロッケンベーレンアウスレーゼ(相手は死ぬ)
3年ぶりに飲んだがやはり思い出補正じゃなかった
結論は一番下にあるが、ようするに7000円あればシャトードワジーヴェトリーヌを飲んでみてくれという話。
まずデザートワインを語らせてくれ
そもそもはアイスワインを飲んだのが始まり。アイスワインは結構どこでも見るし、それなりに安く買えるのでおすすめ。前はチョコレートと飲んだ。
これは3000円位で買える。味はあんまり覚えてないけど甘くて美味かった。まだアルコール感はあった気がする
【ミルドドットコム】ウエルヴェルスハイマー アウレンベルク シルヴァーナー アイスヴァイン 2010
まだ買えるみたい。
1度目のベヒトルスハイマー ゾンネンベルク フクセルレーベ トロッケンベーレンアウスレーゼ
そんで、デザートワインは甘くてうまいやんということで、調べてみると貴腐ワインとかいうさらに甘いデザートワインがあるらしい。
そこで横浜のタカシマヤかどこかで、見つけたので買って飲んだ。
ボケてるけどこれ。
名前が長いが、覚えておくのは「トロッケンベーレンアウスレーゼ」、すなわちTBAがうまいということ。甘さのレベルみたいなのがあって、その最上位がTBAってやつだ。
このとき初めて飲んで、はちみつシロップのような、というかワインどころかアイスワインとも全く違うじゃねーかこの貴腐ワインってのはという感想だった。とにかく甘かった。そんでアルコール入ってんのかっていうまろやかさであった。
それから、僕らはいくつかの貴腐ワインを飲んだ
すっかり貴腐ワインの虜になったので、ちょっと高そうなワイン屋を見るとデザートワインだけチェックするようになっていた。ので、いくつかのワインを飲んだりした。
- チリ産のやつ。ただの白ワインにはない複雑な甘さがあるものの、しかし鋭いアルコールの風味が気になる。まろやかさも足らないか。あまり覚えてない。
- フォルシュターシュネフェンフルグのトロッケンベーレンアウスレーゼ。もはやgoogleIMEが学習したので「とr」くらいで「トロッケンベーレンアウスレーゼ」が出てくる。これはすげー色濃かった。現在までで飲んだ中で一番濃かった。まじで黒ビール寄りの地ビールみたいな色。味はたぶん美味かったはずだ。しかしいまいち覚えていられないのが残念。
- シャトードワジーヴェドリーヌ(2012) 特別展「ワイン展―ぶどうから生まれた奇跡―」(2015年10月31日(土)~2016年2月21日(日))-国立科学博物館-に行ったときに、最後にエノテカ協賛でおすすめのワインが買えて、貴腐ワインの中では安めだったので買った。これフルボトルなので、とにかくたくさん飲める。ソーテルヌ2級なのでコスパ重視的な感じで飲んでみたが、これがちゃんと甘く、貴腐ワインの味もする、さらにアルコール感が控えめで、むしろこれ安いうえにうまくね?みたいになった。非常にバランスいい。普段飲みならこれだと思う。色薄いけどぜんぜんうまい!
- カルムドリューセック
シュラスカリア バッカーナ 銀座 本店 にシュラスコ食べに行ったときにあったから飲んだ。強いコクがあるけどアルコール感がまだあったような。グラス一杯しか飲んでないし、なんせイチボのシュラスコなんか食べてるもんだから味覚はあてにならないかもしれない。
- シャトードリューセック ディズニーランドホテルのレストラン、カンナに行ったらメニューにあったので飲んでみた。これはやっぱうまかった。上のカルムドリューセックとおなじワイナリーのこちらが上級魔法なので、つまりこちらはベホイミではなくベホマズンなのである。味もよかった。ザ・貴腐ワインみたいな。
やはり最初のベヒトルスハイマー ゾンネンベルク フクセルレーベ トロッケンベーレンアウスレーゼが一番うまかった気がする問題
ここまで飲んで、最も美味かったのは初めて飲んだベヒトルスハイマー ゾンネンベルク フクセルレーベ トロッケンベーレンアウスレーゼだった。そうなってくるともう一度飲みたい。ということで、ネットやワイン屋などを見て回るも、そもそもトロッケンベーレンアウスレーゼが少ないことに気づく。一段格下のベーレンアウスレーゼ止まりなのだ。
もうあの味には会えないのか、と思っていると、まさかのメルカリで出品があることに気づく。早速購入させていただいた。保管状態が気になるが、貴腐ワインは糖度が高くアルコール度数が低いので、冷やしておく必要はないのだ。最悪コルクにワインが触れっぱなしでカスッカスになってても、そっと飲めばええやんけと思って買った。
飲んだ!
ラベルは違うけど同じやつっぽい。せっかくなのでデパ地下のチーズ屋で青カビのゴルゴンゾーラ買ってきた。クラッカーに乗せて食うため。
細心の注意をはらいながらコルクを開けると、高貴な香りが漂う。コルクを嗅ぐ。これ!まさにあのとき嗅いだ匂いだ!間違いない!瓶の口を匂ってみる。やはりこれだ。間違いない。というか飲まなくてもわかる。これ美味いやつや!グラスにそそぐ。こすぎない黄色。はちみつのような、薄いメープルシロップのような色、グラスの内側に寄り添うような粘度!これこそが求めていたものに違いない。おかえり。ただいま。
ボトルのそこには、オリとよばれる結晶がしずんでいたので、振らないようにしてゆっくり注ぐ。もちろん冷蔵庫に入れるときから。
一口。これや!際立つ甘さと、その香り。もう鼻息が美味い。わずかに舌の上でアルコールを含んでいることが感じられるか否か、その程度。そして複雑な、なんというか白ワインでもなくアイスワインでもなく、他の貴腐ワインでもないこの味。なんとも説明がつかない。うまい!
ゴルゴンゾーラとも死ぬほどよく合う。死ぬほどよく合いすぎて死んだ。ちなみにゴルゴンゾーラは苦手で、前に抹茶ビュッフェの中にあったとき食べてみたが、刺すようなカビ風味とアルコールにも似た発酵臭がけっこう苦手だったけど、デパ地下で買ったドルチェといわれる甘い方のこいつはうまかった。少し値段が張ったかもしれないが、まろやかでしかし角の取れたカビ感があった。塩気もちょうどいい。
ちなみにドルチェはあまく、ピカンテというのは辛いという意味らしい。ピカンテオイルって辛いもんな。ドルチェは甘い。
すべてには終わりがある
貴腐ワインはたいていがハーフボトルだ。375mlなんてあっという間になくなってしまう。白ワイングラスで6杯程度だ。ちびちび飲む人もいるかも知れないが、そうもいかない。これだけ美味いものを途中でやめるだなんて素人には難しい。
ていうか開栓してるし、澱も立てないようにすると冷蔵庫に立てて保管しないといけないけどそんなスペースないでしょ。ということであっというまにチーズと共に無くなってしまった。
夢のような時間が去ってしまった。しかし夢ではない。覚めてもなお夢を見ているような感覚の中、コルクを嗅ぐとまだベヒトルスハイマー ゾンネンベルク フクセルレーベ トロッケンベーレンアウスレーゼの香りがする。もう死ぬまで忘れることのない味だと思う。ごちそうさまでした。
結局、大事なこととは何だったのか
それは、貴腐ワインを試してみたいなら、シャトードワジーヴェトリーヌを飲んでみろということ、ベヒトルスハイマー ゾンネンベルク フクセルレーベ トロッケンベーレンアウスレーゼを飲んでみろということ、そして貴腐ワインはまだまだハンガリーにもあるぞということ。スイーツ好きならほぼほぼハマると思うので、ぜひ飲んでみろ。貴腐ワインとは一期一会。そこになければ無いですね。